前歯のセラミックの色合わせ ~セメントの色も大切!!~

 セラミックのかぶせものを接着するセメントにも色のマッチングに重要な役割があります。

 当院では、前歯のセラミック治療の際に、セラミックとご自身の歯との色のマッチングにこだわりを持っているため、必ず行う作業があります。皆さんはご存じないかもしれませんが、実はセラミックを接着するセメントには色が付いています。セメントは無色透明ではないため、透過性の高いセラミックでは、セメントの色味が濃い色、暗い色として反映されてしまうことがあります。

そのため、下記の3つの作業が必要です。
1.セラミックの内側に、セメントと同じ色のペーストを入れます。

セラミックを接着するセメントと同じ色のペースト
セラミックの内側に、セメント色と同じペーストを入れてから、患者さんの歯に試適します。


2.ペーストを入れたセラミックを患者さんの歯に試適(文字通り、歯に試しに差し込んでみる等の確認作業)する。

矢印がセラミックです。


3.患者さんに鏡でご覧いただき、「セラミックを接着するセメントの色味も含めた最終的な仕上がりですが、こちらでよろしいですか」とご確認願います。

透明感のあるセラミックは、セメントの色に微妙に影響を受けますので、上記2のセラミックの試適を無くして、そのまま接着することはありません。 また、セメントだけでなく、元の歯の色調に影響を受ける場合があります。透き通るが故に、土台となるご自身の歯に金属の土台が入っていれば、微妙に黒くなり、神経の処置を行い、白過ぎるレジンの土台が入っていると、のっぺりとした立体感のないかぶせものになる場合があります。この場合は、逆にセメントの色味を利用して、補正を行うこともあります。

 前歯のセラミック治療に関しては、ここまで配慮して治療を行っております。

セラミックの色味、色調に関する過去のブログはこちら

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