歯石除去こそ、最初の検査が肝心です

 「初診です。簡単な歯のお掃除をお願いしたい」と電話が入ることがあります。私共は「初診の方にはレントゲン撮影、歯周検査を行い、歯の状況をご説明後、施術します。当日の1回では終了出来ません。保険は制度上、1回で終わらせてはいけない決まりなので、最低2回はかかります」とお伝えします。

初診の方は、問診票にご記入願います。

  レントゲン撮影の検査を行う旨をお伝えすると「前の病院では無い。簡単にしてもらいたい」と、おっしゃいます。当院は保険を扱う医療機関のため、保険のルールに順守した内容です。検査は2つです。

検査後の現状をしっかりお伝えします。


 1.レントゲン撮影は、妊娠されているか、その可能性がある方以外は全て行います。レントゲン撮影で分かることは、むし歯、歯周病の具合、歯石の沈着状況、神経を除去して治療した歯の治り具合、歯の根の長さ、アゴの状態など、大切な情報が詰まっています。


 2.歯周組織検査という歯ぐきの健康状態を調べます。最初に、歯と歯肉の境目にある溝、 歯周ポケットの深さの数値を計ります。 1本の歯の表側3箇所、裏側3箇所、合計6点のポケットの計測です。 4ミリ以上の 数値では、歯周病があるとされています。次に、 歯周ポケット 計測時の歯ぐきからの出血、歯の動揺を調べます。

イメージ:歯周ポケットを測るために、歯と歯肉の境目の溝に入れます。

 どの歯に、どれだけの問題があるのか、ないのかを知った上で、はじめて歯石除去を行えます。歯周ポケットが深いと、歯石除去の際、痛みを伴うため、軽く麻酔をします。

大きい歯石除去には、超音波のチップを使用。
こんなに大きい歯石が出ることも。

 データも無い状況で、やみくもに触ると、問題の無い歯に、知覚過敏(しみる、痛い)が起きることがあります。「着色が気になり、他院で粉をかけるクリーニングを2,3週間に一度やったけれど、歯がしみて痛い」と、来院された方がいました。粉をかけることは悪くなく、当院でも行いますが(粉をかけるエアフローは保険外)、歯の状況別に施術しないと、キレイへの希望が残念な結果になることもあります。

イメージ:歯に、黒い印を付けました。エアフローで着色除去します。

 歯のお掃除と総称される「歯石除去」「スケーリング」「クリーニング」と、言葉は沢山ありますが、肝心なのは「最初の検査が大切。検査によって、自分に必要な時間、回数、費用が分かる」ことです。

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