歯ぐきの中に潜む歯石を除去

  歯ぐきの健康状態を調べる主な検査は、 歯周ポケットの計測・歯ぐきからの出血や排膿・歯の揺れ具合等があります。

歯周ポケットを測るプローブ。物差しは実際に使用しません。

歯周ポケットの数値が4ミリ以上や、 歯ぐきからの出血があると、歯周病の治療が必要です。
歯のまわりだけでなく、歯周ポケット内にも 多くの歯石が付着して、歯周病の原因となっています。

 歯周病の治療は歯周ポケット内部を含む、徹底した歯石除去で、歯ぐきの炎症を改善することです。
 しかし、年月をかけて硬くこびりついた歯石の除去は、簡単ではありません。
1. 歯周ポケット内の 歯石除去 は痛みを感じやすく、 表面麻酔 と 極細 の麻酔針 35G を使用して 施術します。
2.マイクロスコープやルーペ(拡大鏡)を使用して、超音波チップや手用器具キュレットなどで丁寧に除去します。

左側:0,5ミリのシャープペンの芯。真ん中:細いタイプの麻酔の針。右側:最新の極細な麻酔針35G
用途に応じて数種類ある超音波チップ
手用な器具、キュレット

 除去した歯石は血液を吸っているため、褐色です。


 ちなみに、歯の表面の歯石は、白っぽい色です。

歯の表面の歯石

 歯石除去は、見た目を改善するだけではありません
 歯石は付着した月数、年数により、顎の骨が溶けて歯周病が重症化します。
 歯のぐらつき、しっかりかめない、口臭がひどい等の自覚症状が出ます。歯が抜けそうに感じたり、実際に、抜けた歯を持参された方もいました。
 歯が抜けてしまうと、その歯を補う治療プランが大変難しくなります。 

 施術は、2通りです。
 保険内では、保険のルールに則り、30分以内の時間で複数回行います。
 自費診療では、 90~120分のまとめた時間で集中してクリーニングをします。
 特に、歯周病の治療では、時間が経てば経つほど、改善が遅くなります。
 自費診療は、集中的な治療により通院時間の短縮、マンツーマンでのきめ細やかな施術、出血しなくなってきた等の改善が、早くに感じられるメリットがあります。 

 歯科医師会が推奨する8020(ハチマルニイマル)があります。
 80歳で20本の歯が残っていると、かむことに不自由なく、しっかりかめて、美味しくお食事が出来て、消化器系にも負担が少ないと言われています。
 8020を達成するには、自覚症状が分かりずらく、深く静かに進行する 歯周病のケアが重要です。10年後のお口の健康は、今の状態によって作られると言っても過言ではありません。

歯石除去、歯石の色、8020(ハチマルニイマル)、麻酔の針の過去のブログはこちら

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 歯ぐきの中に潜む歯石は、黒い色 

 82歳で25本の歯を保ち、お食事を楽しまれています