ダイレクトボンディングの秘密 その3

 前々回前回に引き続き、レジンを歯に直接接着する治療、ダイレクトボンディングについて、当院の考えや取り組みをご紹介します。

 今回は、ブログでも度々取り上げている、ラバーダム防湿についてです。

ゴムのシートは、種類も豊富。

 お口の中は、湿度80~100%と、接着には過酷な環境です。
 さらに、接着の大敵、唾液が接着面にふれやすい問題があります。
 歯科用レジンの材料学講座では、「接着面に唾液が付着したままだと、分離剤のような効果になり、接着を阻害してしまいます」と学びました。

ラバーダム下で,歯と歯の間の虫歯を,隔壁(かくへき)を作成して修復中

 そこで、治療対象の歯を唾液から隔離して接着するための、ラバーダム防湿が必要となります。レジンを歯に直接接着する治療、ダイレクトボンディングを成功に導く大事なポイントは、正確で 確実な接着 です。

 大事な事なので、もう一度言います。
 ダイレクトボンドで、より良い結果を残すため、治療する歯を唾液から隔離するラバーダムは必須です。

自分の蔵書。ラバーダムに関するものは、それほど多く出版されていません。右端の書籍は、ごく最近、出版されました。

 当院も、可能な限りラバーダム防湿後、ダイレクトボンディングの施術をします。今回は言及しませんが、精密根管治療セラミックのかぶせものの接着にもラバーダム防湿を行い、治療成績の向上を目指しています。

最近のダイレクトボンドのケースはこちら

奥歯の歯を出来るだけ残すダイレクトボンディング その3 
奥歯の歯を出来るだけ残すダイレクトボンディング その4