むし歯の除去が、簡単に終わらない理由

 むし歯の大きさ、深さ、範囲は、レントゲン撮影だけでは分からない、微妙な差があります。むし歯を徹底的に除去して、どのような処置を行うかが、その後の歯の寿命にかかわると思います。

歯と歯の間にあるむし歯。赤い色は、むし歯だけを染める染色液。

  当院は開業以来「出来るだけ歯を削らない治療」に取り組んできました。

 内容は、1、マイクロスコープ、ルーペを使い、問題の箇所を除去する。2、むし歯の取り残しは、更なるむし歯を誘発するので、むし歯だけを染める染色液を使う。3、歯を削りすぎないように、エキスカベーターを使う。

むし歯を染め出します。

 エキスカベーターは、聞き慣れないかもしれませんが、昔からあります。大雑把に言うと、むし歯だけを少しずつ手で削り取るものです。

スプーンエキスカベーター。

 上記の3つをきっちりと行うと、時間がかかります
1のツールを使い(マイクロは置いてある部屋でしか使えませんが、ルーペは、私の頭に常に装着)、2の染色液で、染色して、むし歯だけを除去するため、3のエキスカベーターで、取り除きます。

金属の下、周りにむし歯があり、歯の金属を除去します。

 歯と歯の間に出来たむし歯や、金属が外れかけた、歯のむし歯は深い傾向があります。除去するだけでも20分程です。

 この長く見える時間を短縮するには、3つの原則をやめて、タービン(歯を削る器械)にバー(直接、歯を削るもの)を付けて、一気に行えば済みます。しかし、むし歯以外にも、健康な歯の部分を削ります。

 バーの使用は、金属を除去するまで。その後は、エキスカベーター使用に入ります。

 むし歯も必要最小限のみ除去して、自分の一部である歯を大事にしましょう。むし歯除去後は、あまり範囲が大きくなければ、レジンを歯に 直接的に接着するダイレクトボンドをおすすめします。

 むし歯の除去に関する過去のブログ
 むし歯を染める染色液で、むし歯除去、歯を残す