かみ合わせの調整は念入りに

 歯に詰め物、かぶせものを接着した後に、薄い色紙をかんでいただく理由は、その歯だけがかみ合わせが高くなって強く当たることを避けて、全体に均一にかめるようにするためです。どこか1か所だけが強く当たると、治療後、詰め物やかぶせものが外れる、歯が欠ける、最悪の場合は歯が折れるリスクもあります。そうならないように、左右、前後の当たり方が異なるのは避けたいものです。

 色紙をかんでいただくときのかみ方も、人それぞれに違います。しっかりかむ、ゆっくり弱くかむ等、ありますので、なるべくその人本来のかみ方、かみあわせに近付けるように、色紙も2,3色用意して調整します。

 また、私は色紙をかんでいただくだけではなく、必ず、来院者の歯に指を当てて、実際にかんだ時の歯に当たる強さの感触、揺れがあるかどうかも確かめます。強く当たると、歯は微妙に揺れるため、揺れを軽減しなくてはなりません。こうすることで、来院者個人の感覚でいうところの「特に問題ないと思います」で終わらせずに、最終チェックが出来ます。