ダイレクトボンドの秘密 その2
前回に引き続き、レジンを歯に直接接着する、ダイレクトボンドの考え方、取り組みをお伝えします。
重要なプロセスの一つが歯の表面清掃です。
1.術前のクリーニング(PMTC)
2.当日のエアフローでの清掃
上記を2回に分けて行います。
1.術前のクリーニング(PMTC)
歯の表面には、色素沈着が存在します。コーヒー、紅茶、お茶、ワイン等に代表される歯の黒ずみ(ステイン)です。
これは、レジンの色調選択に影響したり、レジンの接着にも障害となるので、超音波スケーラーや手用器具、歯の表面に微細な粉を吹きかけるエアフローで徹底的に除去します。
歯石やプラークも同様に除去し、歯ぐきの炎症を改善して出血を無くします。出血があると分離剤の如く働き、レジンが歯に接着しない障害となるので、必ず行います。
2.当日のエアフローでの清掃
歯の表面のプラーク(歯垢)をエアフローで除去します。プラークが残っていると、分離剤の如く、レジンと歯の接合面にすき間を作り、歯とレジンの境界が褐色に変色したり、境界面から新たな虫歯発生(2次カリエス)の原因にもなります。
プラークを染色液で染め出す事で可視化して、徹底的に除去します。
エアフローでの歯面清掃は、診療に欠ける事のない必須道具です。個々の歯の状態により、数種類あるエアフローを使い分けます。
次回、ダイレクトボンドの秘密 その3は、ラバーダムを予定しています。
ダイレクトボンドに関する過去のブログはこちら
ダイレクトボンドの秘密 その1